たまごを知るともっと美味しく

たまごの豆知識

知っているとちょっと役立つ…?かもしれない、卵にまつわる豆知識を集めました。

1羽の鶏は、1年間でどのぐらい卵を産むのでしょうか?
鶏が1年間で産む卵の数

鶏が1年間で産む卵の数は、300個前後。鶏の種類や年齢を示す“日齢”によって、産む個数や周期が変わります。卵を産む確率は、産み始めてから2~3ヶ月で最も高く、その後数ヶ月は、だいたい1日に1個程度の割合で卵を産み続けます。そして、1年後には、5日に4個ぐらいの割合になっていきます。
しかし鶏が、毎日のように卵を産むようになったのは、第2次世界大戦以降のことです。明治以前、2日に1個ぐらいの割合で卵を産む鶏もいれば、時期によって毎日卵を産む鶏もいるなど、種類によってまちまちでした。 その後、明治時代に入って、産卵の研究や鶏の改良が行われるようになり、研究が積み重ねられ、現在のような鶏になりました。

きれいに殻がむけるゆで卵を作るにはどうしたらよいのでしょうか?
きれいに殻がむけるゆで卵を作る方法

「ゆで卵の殻をむこうとすると、白身も一緒にくっついて卵がぼろぼろになってしまう…」という経験したことありませんか?せっかく作ったゆで卵は、つるんときれいに殻をむきたいものです。

今回は、ゆで卵の殻がむけにくい理由とキレイにむくコツをご紹介します。

【ゆで卵の殻がむけにくくなる理由】
卵の中には「炭酸ガス」があります。特に産まれて間もない卵は、中に「炭酸ガス」をたくさん含んでいます。新鮮な卵を殻つきのままゆでると、中の炭酸ガスが殻の外に出ようとして、白身を圧迫します。炭酸ガスに圧迫された白身が薄皮とくっついてしまい、ゆであがったときに殻がむけにくくなるのです。

【きれいに殻がむけるゆで卵を作る方法】
最初の卵選びがポイントです。ゆで卵を作るときは、産まれてから1週間くらい(気温や保存状態によって期間が変わります)たった卵を選ぶことをオススメします。新鮮な卵にたくさん含まれる炭酸ガスは、日がたつにつれて自然と殻の外に抜けていきます。1週間くらいたつと、炭酸ガスも適度に抜けるため、ゆでたときに中から白身を圧迫することもありません。また新しい卵の場合は、残ったガスが白身をスポンジ状にしてしまい、ボソボソした食感になることもあります。

卵の賞味期限の意味は?
卵の賞味期限の意味は?

「賞味期限」はおいしく食べられる期限、「消費期限」は安全に食べられる期限を表していることはご存知ですね。「賞味期限」は一般的に食品がいたむスピードが遅い食品(例:クッキーやレトルト食品など)に表示されることが多く、「消費期限」は、いたむスピードの速い食品(例:食肉や弁当、惣菜など)に表示されることが多いようです。

卵の場合は、「賞味期限」が表示されています。これは、「生で食べられる期間」のことです。

賞味期限を過ぎた卵も、買ってきてからきちんと冷蔵庫などで保管されていれば、数日間は充分に火を通した上でお召し上がり頂くことができます。

賞味期限後、充分加熱してお召し上がり頂ける期間は、ずっと冷蔵庫に保存されていた場合、あたたかい時期(4月頃~10月頃)は1週間・さむい時期(11月頃~3月頃)は、10日前後が目安となりますが、早く食べていただくことをお願いいたします。

大きなサイズの卵がお得と思いがち。でも実はそうとは限らない…?
卵の大きさ(サイズ)の違い

卵には、S、MS、M、LL…はいろいろあります。大きな卵は「なんだかお得」な気分になったり、小さい卵は「小ぶりでかわいい!」と思ったり。どんな大きさのサイズがお好みでしょうか?

卵の大きさ(サイズ)の違いは、鶏の品種、月齢、産卵の季節、個体差、飼料の質などにより変わります。一般的に、卵を産み始めてまもない鶏の卵は小さく、その後卵を産卵開始後、2〜4年間に、一番大きな卵を産みます。
参考資料「たまごの知識」(幸書房2007年8月改訂)

卵はサイズによって、「卵白と卵黄の比率」が異なります。もっとも卵黄比率が高いのがMサイズです。S〜MSサイズのようなサイズの小さい卵や、逆に2Lサイズ(ジャンボ)は、M・Lサイズに比べるとやや卵白比率が高めです。サイズごとの特徴を生かして、おいしく召し上がってください。

●サイズごとのオススメ料理

M(58g以上64g未満)
卵黄比率が最も高い
例) 卵かけごはん・目玉焼き・ゆで卵・おでん卵 など
卵黄のおいしさやホクホク感を楽しむお料理方法が適しています。
L(64g以上70g未満)
Mサイズについで卵黄比率が高い
例) スクランブルエッグ・親子丼・玉子焼き・オムレツ など
卵黄と卵白のバランスが良いので、卵黄と卵白それぞれの風味を半生状態で楽しむお料理に向いています。
SS(40g以上46g未満)
S(46g以上52g未満)
MS(52g以上58g未満)
LL(70g以上76g未満)
他のサイズと比較すると、卵白比率が高め
例) 茶わん蒸し・プリン・ケーキなどの焼き菓子類 など
食感の柔らかさや、生地のフワフワ感(卵白の気泡力)を楽しむお料理に向いています。
買った卵をうまく使い分けて料理。美味しさを一番引き立てるには?
卵の鮮度別オススメ料理法

卵は産まれてから時間が経つにつれて中身が変化していきます。なかでも、特に変化するのは白身の部分です。

白身の部分はぷりっとした弾力のある「濃厚卵白」とさらっとした「水溶性卵白」に分かれますが、産みたての卵は「濃厚卵白」が白身のほとんどを占めています。

ところが日がたつにつれて、濃厚卵白は水溶性卵白に変化していきます。白身は徐々にハリがなく、水っぽい状態に変化していきます。

卵は鮮度ごとに、そして白身の状態ごとに向いている料理が違います。産まれてから何日目の卵がどんなお料理にむいているか、簡単にまとめてみましたので、料理の参考にしてください。

●卵の鮮度別オススメ料理法

産まれて~4日目
(鮮度が最もよい状態)
生卵かけごはん
卵黄のハリと卵白の食感が楽しめます。
目玉焼き
卵黄が真ん中にきて上手にできます。卵白のプリプリ感も楽しめます。
親子丼/スクランブルエッグ
半生状態で卵の甘みとコクをお楽しみいただけます。
5日目~9日目
(中間期)
玉子焼き
濃厚卵白を残しつつ上手に混ぜ合わせる事ができるので、ふわっとした食感に仕上がります。
ゆで卵
殻がむきやすく上手なゆで卵ができます。
10日目~14日目
(賞味期限切れ前)
お菓子類
水溶性卵白比率が多い方が卵白の泡立ちが良いため、お菓子づくりにむいています。
茶碗蒸し/プリン
卵と他の液をあわせて濾すお料理は、水溶性卵白が多くなった卵がむいています。
卵は1日1個まで?
卵は1日1個まで?

「卵を食べたいけどコレステロールが心配…」「コレステロールが心配だから卵は1日1個しか食べられない…」という話をよく聞きます。しかし、卵を食べるとコレステロール値が上昇する、という説は1900年代初頭にロシアで行われた実験から生まれた誤解です。

1981年に、日本で人体とコレステロールに関する興味深い研究結果が発表になりました。健康な成人に、1日5~10個の卵を5日間連続して食べさせるという実験です。その結果、1日に10個ずつ食べた人でも血中コレステロールの値はほとんど変化しないことがわかりました。

最近の実験でも、普段の食事以外に、1日に卵を3個ずつ、しかも2週間食べつづけてもらった結果、コレステロール値を測ってみると、ほとんど変化はありませんでした。また、卵にはコレステロールの上昇を抑える「シスチン」や「レシチン」も含まれています。コレステロールそのものは、人間の体になくてはならないもの。健康な人なら、卵を1日1個以上食べてもコレステロールをあまり気にする必要はありません。
参照:日本卵業協会

厚生労働省が制定している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、コレステロールの摂取量が直接血中コレステロール値に反映されるわけではない、という判断から基準値が撤廃されました。